
NEC モバイリングでケータイユーザーの視点で捉えた新しいサービスへの取り組み、それが「ケータイサービス」事業である。
しかし、当社にとって新しいコンセプトであるがゆえにプロジェクトメンバーは、手探り状態で一歩ずつ前へと進むしかなかった。
1992 年入社 工学部電気工学科卒
大学卒業後、電気メーカーに就職、CATVからゲームソフトをダウンロードするハード開発などに携わった後、携帯電話ビジネスに興味を持ちNEC モバイリングへ就職。
1991 年入社 経営情報学部
経営情報学科卒
電子回路の設計業務に携わりたいと考え始めた頃、NEC モバイリングの「自動車電話、ポケットベルの設計」というキーワードに魅力を感じて入社を決意した。
1996 年入社 経営学部経営学科卒
急成長していた携帯電話業界に身を置き、力を試すとともに自らのビジネススキルに磨きをかけたいと考え NEC モバイリングへの入社を決める。
キャリアショップを通してコンシューマーと接点を持つ事業はあるものの、携帯電話が最も普及しているコンシューマーをターゲットにしたソリューション事業が確立されていない。今後やってくる携帯電話の飽和状態とそれにともなう競争激化時代に備えて、この巨大マーケットに訴求できる事業を立ち上げなければならない。2005年1月に設立された販売事業本部ソリューション開発部(部門名は当時)に、まず与えられた使命が、この新規事業の開発であった。
「開発、保守、販売、システムなどの各部門から2名ずつの中堅社員が集まり、『新規事業創出プロジェクト』が立ち上げられ、コンサルティング会社も加わって半年かけてコンセプトを固めていきました。それが『モバイル・バリュー・プロデューサー(MVP)』です。購買者の立場からモバイルの価値を高めるという意味が込められています」「新規事業創出プロジェクト」のメンバーに選ばれ、事業開発当初から参加している松岡利行は、当時をこう振り返る。
このコンセプトに従って誕生した事業が、「ケータイサービス」である。これは、「B to C」ビジネスを展開する企業を対象に売り上げ向上などの業務改善を支援するASPソリューション「MVPro」を提供するとともに、コンシューマー向けのSNSを多数立ち上げて市場ニーズを蓄積する場を作り、この2つをリンクさせることで、新しいビジネスを生み出していくというもの。しかし、事業開発当初から、このような明確な道筋が描けていたわけではなかった。
- ケータイサービス・プロジェクト体制(当時)


「『何をすればいいのか?』。まず、ここから考えなければなりませんでした」漠とした事業展望しかない状態にあるとき、このプロジェクトに参加することになった企画・運営グループのヘッド・大野雄吾は困惑していた。
「携帯電話の販売事業では、コンシューマーとの接点はありましたが、販売事業本部ソリューション開発部としてコンシューマーをターゲットにしたノウハウの蓄積はゼロに等しい。コンセプトという事業の大枠は決まったものの、中身を作り上げるには絶対的に情報量が不足していたのです」
そこで、彼らはまず、「B to C」ビジネスを展開している40業種をピックアップし、それぞれ上位数社、計100社以上の経営層にヒアリング調査を行うことにした。いきなり未知の世界であるコンシューマー向けビジネスの世界に飛び込むのではなく、多少なりとも実績のある企業向をリサーチすることで、コンシューマーの情報も得ていこうと考えたのだ。
この時点で、新規事業創出プロジェクトが立ち上がってから、すでに10カ月の時が過ぎている。このあとはスムーズに事が進んだかというと、そうではない。この先には、全く新しい事業に挑戦するがゆえの生みの苦しみが待っていた。







