勉強好きな院長、意欲的な院長ほど、色々な勉強会に参加すると思います。そこで学んできた取り組みを医院に導入しようと躍起になるのですが、残念ながら、院長から提案される取り組みの殆どは導入する事なく、定着する事なく、立ち消えになっていくのです。
そして院長は「何故決まった事なのに、やらないんだ!」とスタッフに対して嫌悪感を抱き、そのような姿勢はスタッフは敏感に感じ取りますからお昼休みや診療後には、スタッフルームで「何か最近の院長、感じ悪いよね~」「院長からの指示も、よく聞こえないしね」「何か最近仕事がつまらないなぁ」「辞めちゃおっかなぁ」などと想像するだけでも恐ろしくなるような、マイナス発言の数々が繰り広げられる事になります。
これは元を正せば、院長が勉強会で学んだ取り組みを導入しようとして失敗した事が発端になっていて、院長も「あんな勉強会に参加しなければ良かった…」となりますし、スタッフも「院長が勉強会に参加する度に何か面倒な事を提案される」と、お互いに勉強会に対して負のイメージを持つ事になってしまいます。
これではせっかくの勉強会が台無しになってしまいます。そこで今回は「新たな取り組みをスムーズに実践する方法」をお伝えしていきたいと思います。
「5W2H」とはwhen(いつ),where(どこで),who(誰が),what(何を),why(なぜ),how(どのようにして),how much(いくら)ですが、新しい取り組みを実践する際には、この5W+2Hをしっかりと決めておく事が重要になります。例えば「新しいレイアウトのリコールハガキを使って、患者様自身に宛名を書いてもらう」という取り組みを実践する事にしたとしましょう。この取り組みを実践するためには
などをしっかりと明記し、そしてこれらの項目をスタッフに理解、浸透してもらう事が大切になってくるのです。言い換えれば、新しい取り組みというのは、ここまで落とし込めて初めて実践されるのです。間違っても院長だけが、その勉強会に参加して、その翌日「じゃあ、やって」という事で実践されるものではないのだという事を、院長は再認識する必要があります。
更にこの5W+2Hに加えて、For whom(誰のためか),For what(何のためか)という事まで落としこまれていると、スタッフの理解度は更に深まります。
院長ひとりだけで勉強会に参加するのと、そこにスタッフが加わるのとでは、新たな取り組みの浸透具合が格段に違います。院長はその場に参加していますし、勉強会によっては会場のエネルギーも高いですから「こんな方法があったのか!これはぜひうちの医院でも実践しよう!」とテンションが高い状態になりますが、スタッフはその場に居ない訳ですし、概ねこのような勉強会は医院の休診日である日曜日にありますから、スタッフにこの取り組みの話をするのは、翌日である月曜日なると思いますが、一方スタッフの方はと言うと「また今週から仕事か…」と憂鬱な気持ちで月曜日の朝を迎えていますので、そもそものテンションの高さが180度異なる訳です。そんな中で院長ひとりが「うちでこの取り組みを実践しよう!」などと言ったところで、スタッフは完全にそのテンションの高さについてきていませんから「院長、どうしたの?何だかひとりで突っ走っちゃって…」となるのです。
そうならない為にも、ぜひ「スタッフも共に参加する」という方法はオススメです。一緒に参加する事によって、院長の思いが伝わり易いという事はもちろん、その会場で他の歯科医院のスタッフと親しくなる事によって「こんな意識の高いスタッフが本当にいるんだ…」とスタッフにとっても、新たな発見になりますし、今後このようなスタッフと交流を重ねていく事によって、モチベーションが高まり易いという事は、大いにあり得る事ですので、そのような相乗効果も期待出来ます。
このような内容をクライアントで話をすると「休みの日に仕事の内容で参加してもらう事は抵抗が無いんでしょうか?」と不安な気持ちになる院長もいますが、もともと意識の高いスタッフであれば、このような問題も発生しにくいですが、そうでない、いわゆる普通のスタッフには「なぜあなたに、この勉強会に参加してほしいと思っているのか」「この勉強会に参加する事で、あなたにとって、どのようなプラスになるのか」などを院長自身の言葉でしっかりと伝えて、スタッフに理解、納得してもらう事が重要です。
間違っても勉強会の広告チラシなどをチラッとだけ見せて「あなたにはこの勉強会に参加してもらうから」などとやってはいけません。スタッフは必ず「大した説明も無く、無理矢理勉強会に参加させられた」と思ってしまいますので、仮に勉強会に参加したとしても、そもそも最初からモチベーションが低い状態で参加していますから、得られる効果の半分も得られないまま「休みを返上してまで、参加する必要はなかった」などと、余計にマイナス感情を抱かれてしまう可能性があります。
新しい取り組みを導入する際にも、その取り組みにスタッフを巻き込む際にも「5W+2H+2つのF」が重要なのだと認識して頂けると幸いです。